食品リコールが増えている理由 アレルゲン表示義務化が与えた影響

コラム

「また食品の回収か」と感じるほど、最近は食品リコール・自主回収のニュースが頻繁に流れています。実はこれには明確な理由があります。法改正によるアレルゲン表示ルールの強化が、食品回収件数の増加に大きく影響しているのです。

2023年のくるみ義務化が転換点に

食品のアレルゲン表示は、食品表示法によって定められています。現在、特定原材料として表示が義務付けられているのは以下の8品目です。

卵・乳・小麦・そば・落花生(ピーナッツ)・えび・かに・くるみ

このうちくるみは2023年3月に義務化されました(2025年3月まで経過措置期間)。それまで「推奨表示」だったくるみが義務化されたことで、表示ミスによる自主回収が急増しました。

なぜ表示ミスが起きるのか

食品メーカーの現場では、以下のような理由で表示ミスが発生しやすい状況があります。

① 原材料の切り替え
同じ製品でも原材料のサプライヤーが変わると、微量アレルゲンが混入する可能性があります。パッケージの表示更新が追いつかないケースも。

② 複数ラインでの製造
同じ工場で複数の製品を製造する場合、ラインの切り替え時にアレルゲンが混入するコンタミネーション(交差汚染)が起こることがあります。

③ 表示ルールの複雑化
義務表示と推奨表示の違い、「含む」と「入っている場合があります」の使い分けなど、表示ルールが複雑で担当者が対応しきれないケースも見られます。

アレルギー患者にとっての深刻さ

食物アレルギーは命に関わることがあります。特に重篤なアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があるため、アレルギーを持つ方やその家族にとって、表示ミスによる回収情報は命に直結する問題です。

厚生労働省の調査によると、食物アレルギーを持つ人は国内に約200万人以上いるとされており、特に子供の有病率は高い傾向にあります。

今後も増加傾向が続く見通し

アレルゲン表示の義務化対象品目は今後も拡大が検討されています。また、原材料のグローバル調達が進む中で、サプライチェーン全体の品質管理はますます複雑になっています。食品の自主回収件数は当面増加傾向が続くと見られます。

消費者としての対策

  • アレルギーを持つ家族がいる場合は、購入前に必ずアレルゲン表示を確認
  • リコログ・消費者庁の情報をこまめにチェック
  • 購入時のレシートはしばらく保管しておく(回収対応に使える)

まとめ

  • 食品リコール増加の背景にはアレルゲン表示義務化がある
  • くるみの2023年義務化が転換点となった
  • 原材料切り替え・コンタミネーション・表示ルール複雑化が原因
  • アレルギーを持つ方には命に関わる問題であり、情報収集が重要

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